石油会社といえば、最近の原油価格の下落のために
涙目!
かと思っていたら、意外とそうではないようで、2019年2月1月付けのMorningstarの記事に、以下のような記載がありました。
The world’s largest Western oil companies shrugged off a plunge in oil prices in the final months of 2018 and posted some of their biggest annual profits in years.
『2018年の最後の月に、世界の西側諸国の石油大手は原油価格の下落をものともせず、ここ何年間で最高の年間利益を叩き出した』
ふーん、そうなんだ・・・
で、今回は、この記事を読んで石油業界の今を確認したいと思います。
(なお、当該記事に記載されていない情報もありますが、それらはMornigstarのサイトから引っ張ってきています。)
世界の石油大手は事業再構築により高収益な体質に変換中!
2019年1月31日に、エクソンモービル(XOM)、シェブロン(CVX)、ロイヤルダッチシェル(RDS.B)の3社が決算を発表しましたが、内容は良かったです。
具体的には、XOMは純利益64億ドルと前年の84億ドルを下回ったもののアナリスト予想よりも利益額が多く、CVXは前年比19%アップの純利益37.3億ドル、RDSに至っては前年同期比47%アップの純利益56億ドルを、それぞれ叩き出しています。しかも、この第四四半期の間に原油価格が
38%!
も減少しているというのにです。
こうした収益が可能となった背景として、
the big oil companies are seeing benefits from a more disciplined strategy focused on returns and profitability over growing production. The companies have restructured their businesses, sold off assets and positioned themselves to thrive even when crude prices swing up and down wildly.
『石油大手は、より規律をもって戦略を実施することで更なる利益を追求しており、そのために事業の再構築や資産の売却を行い、原油価格の変動が激しい場合でも耐えられる体制を整えてきた』ことを挙げており、その結果として
Even with global crude prices averaging about $71 a barrel last year, about a third lower than in 2014, the five biggest companies — Exxon, Chevron, Shell, BP PLC and France’s Total SA — are on track to post combined annual profits of about $84 billion, 13% higher than four years ago, when oil sold for more than $100 a barrel before falling
『2014年には1バレル当たり100ドル以上を超えていた原油価格が、2018年には平均71ドルと約3分の2となったものの、石油大手5社の年間利益予想840億ドルは達成可能と見なされており、これは2014年のそれよりも13%以上の増加となる。』と、原油価格の低下を優に相殺できるほどに収益力が向上していると、論じています。
そうして得た収益を各社とも積極的に株主に還元する意向であり、たとえばCVXは250億ドルの自社株買いを行うことを役員会で決定しています。
また、各社は油田やガス田の開発を積極的に行っており、例えばXOMのCEOであるDarren Woodsは2300億ドルもの投資を行う計画を発表しており、それにより
targeting drilling opportunities around the world that he has said are the most attractive he’s seen in decades. Those include shale wells in West Texas, natural gas export facilities in Papua New Guinea, a string of giant discoveries in the South American nation of Guyana and developments in Mozambique and Brazil.
『世界のありとあらゆる場所で採掘を行う機会を求めており、それは西テキサスのシェールオイル油田の開発、パプアニューギニアでの天然ガス輸出設備の建設、ガイアナで発見された巨大油田の発掘、そしてモザンビークやブラジルでの油田開発を含んだものである。』としており、収益機会の拡大を図るとしています。
『まとめ』らしきもの
今回の記事を読んで、石油大手各社は原油価格が下落してもしっか利益を出せる体制を整えてきたことが分かりましたし、得られた利益はしっかりと株主還元する方向であることも確認できました。
最後に、XOMのCEOであるMr. Woodsの言葉をご紹介して、今回の記事紹介の終わりとしましょう。
“The price environment in 2018 was unpredictable, which once again demonstrated the value of our integrated business model,” Mr. Woods said. That vertical integration “allowed us to avoid the impact of market dislocations and thus capture the full value of our barrels,” he added.
『2018年の原油価格下落は予測不能であったが、そんな状況でも収益を挙げられたことで、我々の統合されてビジネスモデルの価値が改めて示された。この垂直統合モデルにより、原油市場変調による影響を受けることなく我々の産出する石油の価値を十分に引き出すことが出来たのだ。』
でわ。
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