大学生の娘のための株式投資講座(8):株式会社の始まり

娘よ

しばらくお休みしていた『大学生の娘のための株式投資講座』を再開しようか。3週間ぶり位かの。

ワシも色々と身辺が騒がしかったので、落ち着いてお主向けの記事が書けなんだのじゃ。お主とて忙しくで株の勉強どころではなかったであろう?

では、始めようか。今日のお題は『株式会社』じゃ。

2018年10月17日付けの記事『大学生の娘のための株式投資講座(3):よーく考えよう、お金は大事だよ!②』で、利子が発明されたことでリスクを取れる金持ちとリターンを実現する冒険者が現れた事を述べた。

そして、金持ちが冒険者にお金を貸して、冒険者が大きな利益を上げた場合には元のお金に加えて利子分のお金が増えて返ってくるというシステムが出来上がったことを説明したの。

今回の記事では、そのシステムが株式会社を産んだことをつらつらと説明しよう。

小口投資というシステムの成立

 

中世のヨーロッパでは、遠い異国の地から品物を本国に持ち帰れば高く売れるということで、冒険者がこぞって海に乗り出していた。いわゆる大航海時代じゃ。そして、世界各地からありとあらゆる産物をかき集めて持ち帰っては売りさばいていたのじゃ。

例えば、今では安く手に入れられるコショウは当時は貴重品であった。昔のことで冷蔵庫もなかったので肉は傷みやすかったのだが、コショウには殺菌作用と臭いを消す作用があったため肉食を主とするヨーロッパでのコショウの人気は高く、高値で取引されていたのじゃ。

当然ながら、コショウを目指して主産地であるインド方面を目指す冒険者は数多く、それらに資金を提供する金持ちも多かったのじゃ。

ただ、これについて金持ち側には一つ問題があった。遠い異国の地に航海するためにはべらぼうな費用が掛かるが、一方で当時のことで冒険者が無事にコショウを持ち帰る保証はなかった。下手をすると、提供した資金が海の藻屑と消えることも多かった。

少なからぬ資金をパーにしてしまっては、金持ちにとっては困ることになる。一方で、冒険者がコショウを持ち帰れたら大儲けできるので、その機会を逃すのは惜しい。

 

さて、知恵者はいつの時代にもおるが、この時もある知恵者が

『金持ちが多く集まってみんなで少しづつお金を出し合って冒険者に資金援助し、冒険者が無事戻ってきて大儲けできたら、出したお金の分ずつ利益を山分けすればよいのでは?』

と考え付いたのじゃ。

これは金持ちにとって悪い話ではない。1人の冒険者に資金全額を提供するのはリスクが高すぎるが、それを10人の金持ちが集まってお金を出せば必要額の1/10で出資できる。損をしても1/10で済むということじゃな。

そして、この仕組み使えば金持ちは資金の1/10ずつを10人の冒険者に渡すことができる。そのうち2~3人が無事にコショウを持ち帰ってくれば大儲けができて、他の7~8人が失敗したとしても十分な利益を手にすることができる。これは、悪い話ではないじゃろう?

このように、損失を限定して利益を追及できる仕組みが出来上がった。そして、このような資金提供のやり方を小口出資というのじゃ。この小口出資のシステムが株式会社というシステムに変化していくことになる。

 

株式会社というシステムの成立

 

さて、以上述べたように冒険者と金持ちが利益追求のためのシステムを作ってきたのであるが、成功した冒険者の中には手にした金を使って船を買って船乗りを集めて、自分自身が手を下すことなく各地の産物を持ち帰らせるようにする者が現れた。

ただ、先にも述べたように10艘の船を送り出してそのうち2~3艘がようやく帰ってくるぐらいの成功確率であるから、その成功者としても確実に儲けを出すためには少なくとも10艘の船が必要で、そのためのお金は全く足らない。

そこで、成功者はお金持ちにこう呼びかけた。

『私のところに小口出資していただけませんか? そうすれば、私は船を10艘買うことができて、そのうち2~3艘は各地の産物を載せて帰ってくることは確実です。その品を売りさばけば大儲けが出来ますから、出資していただいた分以上のお金をお渡しすることが出来ますよ。なお、出資していただいた証文はお渡しいたします。』

この瞬間に、株式会社が誕生したのじゃ!

つまり、冒険者(すなわち起業家)が小口出資者から広くお金を集めて、その証文として株式を小口出資者に渡す。起業家は事業を興して利益があがるようになれば、出資した割合(すなわち株式の割合)に応じて小口出資者(すなわち株主)に利益を配分する。まさに株式会社の仕組みそのものであろうが。

株式会社における有限責任

 

さて、株式会社の成立の歴史について語ってきたが、株式会社についてどうしても語っておかねばならぬことが一つ残っておる。それは

有限責任

という考え方じゃ。

先の話では、仮に起業家が失敗して会社がつぶれたとしても、小口出資者すなわち株主は自分が出したお金を失うものの、損はそれだけにとどまる。これが有限責任というものじゃ。これは金持ちすなわち投資家にとって非常に大切なことじゃ。

一つ例を挙げようかの? とある会社が大赤字になって倒産したとすると、その赤字の扱いはどうなるか? 普通に考えれば赤字の分を誰かが肩代わりする必要があると思われるじゃろうが、株主については有限責任のため自分の出資した金額以上の金額を赤字の穴埋めのために支払う必要はまったくない。

そして、有限責任で済むというのであれば投資家はどう考えるだろうか?

損は限られているし、上手くいけば大儲けできる。だったら、成功確率は低くてもガッポリ儲けられる事業を行う起業家に出資しよう

と思うじゃろうな。そして、実際に有限責任が一般化することで投資家はよりハイリスク・ハイリターンな事業を行う起業家に積極的に出資するようになり、それが資本主義の強力な推進力となったのじゃ。

 

『まとめ』らしきもの

 

以上述べてきたように、利子が発明されたことで冒険者にお金持ちが出資して利益を得られる仕組みが作られ、それが組織化されて株式会社として成立するようになり、株式会社が資本主義の尖兵として機能して世の中を大きく変えてきた。そして、今や株式会社は時に国家をも動かす程の強力な存在となった。

その株式会社を支配するのは株主であり、したがって株を買って株主になるべきなのじゃ。

・・・さて、最後の一文はお主にとって『???』であろうな。これについては、次回に株式会社の仕組みを説明する予定なので、それを読んで理解してほしい。

 

でわ、またの。

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