2018年9月9日付けの記事『なんと! 配当再投資すれば株価がずっと下落しても設けられる!』では、株価下落時でも配当で株を購入することで株数が増え、それに呼応して資産価値が上昇することをシミュレーションで示しました。
ただ、前回行ったシミュレーションには、大きな欠点が二つあります。
一つ目は、税金を考慮していない事です。
二つ目は、株価が下落しても配当がそのままと仮定したため、配当利回りが現実的でなかった事です。
そこで、上記の欠点を正した上で、更にシミュレーションしてみました。
シナリオ③:株価がやっと戻ってきたと思ったら、なんと!!!(税金考慮編)
ここでは、前回の記事のシナリオ②について、税率30%(米国10%+日本20%)として計算しました。
さて、結果は?
年数 | 株価 (USD) | 株数 | 資産額 (USD) | 配当額 (USD) | 追加株数 |
1 | 30 | 100.0 | 3000.0 | 126.0 | 4.2 |
2 | 29 | 104.2 | 3021.8 | 131.3 | 4.5 |
3 | 28 | 108.7 | 3044.4 | 137.0 | 4.9 |
4 | 27 | 113.6 | 3067.7 | 143.2 | 5.3 |
5 | 26 | 118.9 | 3092.0 | 149.8 | 5.8 |
6 | 25 | 124.7 | 3117.1 | 157.1 | 6.3 |
7 | 24 | 131.0 | 3143.3 | 165.0 | 6.9 |
8 | 23 | 137.8 | 3170.4 | 173.7 | 7.6 |
9 | 22 | 145.4 | 3198.7 | 183.2 | 8.3 |
10 | 21 | 153.7 | 3228.2 | 193.7 | 9.2 |
11 | 20 | 162.9 | 3259.0 | 205.3 | 10.3 |
12 | 21 | 173.2 | 3637.5 | 218.2 | 10.4 |
13 | 22 | 183.6 | 4039.3 | 231.3 | 10.5 |
14 | 23 | 194.1 | 4464.8 | 244.6 | 10.6 |
15 | 24 | 204.8 | 4914.2 | 258.0 | 10.7 |
16 | 25 | 215.5 | 5387.7 | 271.5 | 10.9 |
17 | 26 | 226.4 | 5885.6 | 285.2 | 11.0 |
18 | 27 | 237.3 | 6408.1 | 299.0 | 11.1 |
19 | 28 | 248.4 | 6955.6 | 313.0 | 11.2 |
20 | 29 | 259.6 | 7528.2 | 327.1 | 11.3 |
はい、やはり儲かっています♡
20年で2.5倍ですと、年率に換算すると4.7%です。
株式の通常のリターンである6~7%を下回っていますが、株価が初期値を一度も超えていないことを考えると、悪くない結果と言えるのではないでしょうか?
しかも、米国に納めた税金については、確定申告で戻ってきます。全額が返ってきたとして、その分を再投資すれば、平均リターンは5.4%になります。
シミュレーション④:株価も配当もだだ下がり・・・(税金考慮編)
さて、最後に強烈なシミュレーションを、ご覧ください。
株価が20年下がり続け、それに合わせて配当利回りも6%をキープし(つまり、配当も下がりつつける)、おまけに30%の税金をふんだくられるという、
泣きっ面にスズメバチ
とでも言いたくなるような地獄のシナリオでは・・・?
年数 | 株価 (USD) | 株数 | 資産額 (USD) | 1株当たり配当 (USD) | 配当額 (USD) | 追加株数 |
1 | 30 | 100.0 | 3000.0 | 1.26 | 126.0 | 4.2 |
2 | 29 | 104.2 | 3021.8 | 1.22 | 126.9 | 4.4 |
3 | 28 | 108.6 | 3040.1 | 1.18 | 127.7 | 4.6 |
4 | 27 | 113.1 | 3054.7 | 1.13 | 128.3 | 4.8 |
5 | 26 | 117.9 | 3065.1 | 1.09 | 128.7 | 5.0 |
6 | 25 | 122.8 | 3071.0 | 1.05 | 129.0 | 5.2 |
7 | 24 | 128.0 | 3072.0 | 1.01 | 129.0 | 5.4 |
8 | 23 | 133.4 | 3067.6 | 0.97 | 128.8 | 5.6 |
9 | 22 | 139.0 | 3057.5 | 0.92 | 128.4 | 5.8 |
10 | 21 | 144.8 | 3041.1 | 0.88 | 127.7 | 6.1 |
11 | 20 | 150.9 | 3017.9 | 0.84 | 126.8 | 6.3 |
12 | 19 | 157.2 | 2987.4 | 0.80 | 125.5 | 6.6 |
13 | 18 | 163.8 | 2949.1 | 0.76 | 123.9 | 6.9 |
14 | 17 | 170.7 | 2902.2 | 0.71 | 121.9 | 7.2 |
15 | 16 | 177.9 | 2846.2 | 0.67 | 119.5 | 7.5 |
16 | 15 | 185.4 | 2780.4 | 0.63 | 116.8 | 7.8 |
17 | 14 | 193.1 | 2704.0 | 0.59 | 113.6 | 8.1 |
18 | 13 | 201.3 | 2616.3 | 0.55 | 109.9 | 8.5 |
19 | 12 | 209.7 | 2516.5 | 0.50 | 105.7 | 8.8 |
20 | 11 | 218.5 | 2403.7 | 0.46 | 101.0 | 9.2 |
さすがに、これはあきまへん・・・
株価が3分の1になっても、配当再投資のおかげで資産価値の減少が-20%で留まった・・・と言われても、慰めにもなりませんね。
『総まとめ』らしきもの
シミュレーション③では、現行の税率をそのまま適用した場合でも、
やはり資産価値が上昇する
ことを示すことが出来ました。
一方、シミュレーション④は・・・さすがに厳しかったですね。このシミュレーションから得られる教訓は、
株価が下がって配当も下がったら、その株をとっとと売り払え!
ということですね。
さて前回の記事から、高配当株の株価が上がらない場合の資産価値変化について、シミュレーションをしてきましたが、いかがだったでしょうか?
なんとなく理解していることでも、きちんとシミュレーション等で数値化すると、新たな気づきが得られて有用であることが分かりました。
皆さんも、ご自分で色々なシナリオを立てて、シミュレーションを行ってみてはいかがですか? きっと得られることがあると思いますよ。
でわ。
もしこの記事がお役に立ちましたら、応援クリックお願い致します!
コメントを残す