さて、株式投資の世界では、今やインデックス投資が一大勢力となりつつあります。そして、インデックス投資の数ある流派の中でも、
S&P500連動ETFに投資するのが正解!
という一派が隆盛を極めています。
世界で最も進んだ資本主義国家で、世界で最も強力な企業群を有する米国の経済的な優位性は揺るぐ気配もなく、したがって
米国の経済発展に連動するS&P500ETFを買っとけや!
というのは正解に違いありません。そうそう、我らが老師もこうおっしゃっているではありませんか。
資産の90%はS&P500に、残り10%は政府短期国債に投資せよ!
個別株で勝負しようという酔狂な投資家以外は、S&P500連動ETFに投資するのが正解という意見には、私も同意します。実績がそれを証明していますからね。
過去10年でみると、リーマン・ショックで底値をつけて以来3倍以上になっていて、2009年からの平均で
年率なんと13%弱!
の成長を遂げているのですから・・・無双ですわ。
S&P500を凌駕する投資法
ところが、S&P500連動インデックスを凌駕する方法は存在します。それは、我らがグルであるシーゲル先生の赤本に述べられています。
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シーゲル先生は、S&P500が1957年に設定された時に最初に採用された古い構成銘柄が、それ以来どのようなパフォーマンスを示したかを、この本の中で述べられています。その際に、先生は3つのグループを設定してそのパフォーマンスの推移を確認されています。
第1のグループは、『生き残り』組です。これは、当初の構成銘柄が合併や上場廃止で消えた際に、その銘柄を売却して、他の残った銘柄に再投資したケースです。
第2のグループは『直系子孫』組です。これは、構成銘柄で合併が生じた場合でもそのまま保有し続け、スピンオフが生じた場合はその銘柄を売却して、親会社に再投資するパターンです。
3番目のグループは『子孫丸抱え』組です。これは、何が起ころうと1株たりとも売らない究極のbuy & holdを貫いたケースです。
さて、上記のシミュレーションの結果は以下の通りです。
ポートフォリオ | 年率リターン |
生き残り | 11.31% |
直系子孫 | 11.35% |
子孫丸抱え | 11.40% |
S&P500 | 10.85% |
なんと、新たにS&P500に採用される銘柄に見向きもせずに、S&P500設定時に採用されたチョー古い銘柄群に投資し続けたら、
どのグループもS&P500に勝っちゃいました・・・
この結果についてシーゲル先生は、S&P500に新たに採用されるような新興企業は評価が高いために、株価が割高となり再投資による資産増加効果が薄れるのに対し、S&P500初期採用銘柄は投資家からの期待が低いために株価が割安になり、再投資の効果が大きいからである、と説明されています。
しかし、問題が・・・
ぬぁんと、こんな方法があったのか!
と欣喜雀躍・・・したいところですが、この方法には問題があります。
じゃあ、具体的にどうしたらいいの?
と聞かれたら、はたと答えに詰まってしまうからです。
S&P500は時価総額加重平均株価指数であり、米国を代表する500銘柄の時価総額を1941年から1943年における平均指数を10として算出されたものです・・・が、こう言われたところで、現段階で、どの銘柄に、どれだけの資金を投入すればシーゲル先生が提示した投資法を再現できるか、個人投資家には難解な問題です。
それに、そもそも普通の個人投資家には米国の500銘柄に投資するだけの資金はありません・・・。
『まとめ』らしきもの
S&P500を凌駕する投資法はあるけれど、それを個人投資家が再現することは難しい
という結論になってしまいました。
ただ、シーゲル先生の研究にヒントを得るのであれば、
株価指数に採用されるような良い銘柄を数多く購入して、一旦購入したら絶対売らずに再投資を続ける
ことが優れたリターンをあげる方法に成り得るでしょう。
実は、私は今保有している米国株で、シーゲル先生のいうところの
子孫丸抱え
を実行するつもりでいます。何があっても売らずに再投資を続けた結果がどうなるか?
答え合わせは20年後・・・かな?(←30年後には生きていそうもないので www)
でわ。
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