高配当株式再投資戦略の肝は株価ではなく『株数増加』にある!

皆さんは、算数あるいは数学が得意ですか? 私は数学は苦手でしたが、算数は得意でした。なぜかというと、そろばんを習っていたからです。

 

そろばんを習った経験がある方にはお分かりいただけると思いますが、そろばんは玉を移動させながらそれを数として読み取って計算を行います。そうした訓練を行った結果として、数字を介在させずにそろばんの玉を視覚的にイメージして計算できるようになります。

これができるようになると、暗算がチョー得意になります。例えば、奥さんに命じられてスーパーに買い出しに行って、レジで計算してもらっているとします。レジの画面に映し出される数字を頭の中で足し合わせて、次の瞬間には消費税込み総額も計算し終わって、レジ担当の方から数字を告げられると同時におつりなしで支払額を準備できている、などということも普通にできるようになります。

私は色々な教育を受けてきましたが、振り返ってみると一番役立っている教育は間違いなくそろばんだと思います。

 

さて話を算数に戻しますが、今回は算数をしながら、株式投資について考えてみましょう。わざわざそろばんの技術を使うまでもないレベルの、簡単な計算ですよ。

 

どんな計算をするのか?

 

株式投資について、簡単な式を示しましょう。

(A) 株数増加 X (B) 株価上昇 = (C) 株式資産価値増加

 

ね、簡単でしょう? でも、それが正しく理解されたうえで投資行動に結びつくかという観点からすると、

全く簡単ではない

 

多くの投資家は、(B)を重視します。株価上昇はダイレクトに資産価値向上に結び付きますからね。グロース株投資家ならば、株価に執着するのは当然でしょう。

 

でも、シーゲル流の高配当株再投資戦略を採用している投資家ならば、(B)よりも(A)を重視すべきです。なぜって、配当株の再投資によって株数を増やせるということが、高配当株再投資戦略の肝なのですから。

 

近頃、配当再投資戦略を採用していた個人投資家が、堅調に株価を伸ばしている銘柄に目を奪われて、グロース株投資に切り替える例が目立っているように思われます(←私が、他の投資家さん達のブログをチェックして受けた印象に過ぎませんが)。高配当ディフェンシブ銘柄の株価が低迷しているというのも理由でしょうね。

他の投資家さんが投資手法を切り替えることについて、とやかく言う筋合いはない事は承知していますが、高配当ディフェンシブ銘柄の株価が低迷しているということは、逆に言えば(A)の株数を増やすチャンスですので、その機会を捨てるのはもったいないなと思います。上の計算式では、(A)と(B)に優劣はありませんので、(A)の数値を増大させておけば、(B)が今一つでも掛け算の効果で資産価値は十分に向上することとなります。

しかも、高配当株はその配当利回りが支えとなって、相場下落時の耐性は高いです。そうした意味でも、安全性の高い高配当株再投資戦略は有効だと考えています

 

さらに言えば、2018年6月10日付けの記事『株価という『影絵』に惑わされてはいけない』で論じたように、株価というものは、その時々の状況で大きく変動してしまう当てにならない数値です。それよりも、株数を増やしておくと、よしんば株価上昇が望むレベルに届かなかったとしても、配当金でその分を取り返すことも期待できます。

 

『まとめ』らしきもの

 

繰り返しになりますが、

(A) 株数増加 X (B) 株価上昇 = (C) 株式資産価値増加

です。そして、(A)の増加は(B)の増加と等価です。別に(B)のみにこだわる必要は無いというのが、私の意見です。

さらには、当てにならない(B)よりは(A)のほうに、私は重きを置いています。

 

でわ。

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