武田のシャイアー買収に垣間見える製薬業界の憂鬱③

『武田のシャイアー買収に垣間見える製薬業界の憂鬱②』の続きです。

 

武田の今後は?

 

さて、余計なお世話ですが、武田の今後を占ってみましょう。

 

オーファンドラッグをポートフォリオに有したとして、それらの特許切れに備えて次の新薬を創出する必要があります。では、オーファンドラッグの開発は簡単でしょうか? これは難しいと思います。

なぜ難しいのかを説明しましょう。医薬候補品は、患者に投与されてその効力を判定されます。いわゆる臨床試験というやつですね。

では、臨床試験で効力を見るためにどんなことを行うか? まず、治療目標値を定めます。そして、患者に投与した結果を統計学的に処理して、その目標値を有意に満たしたかどうかの判定を行います。しっかりとした有意差の判定を行うためには、ある程度以上のサンプル数が必要です。実際の臨床では、目標とする患者数を設定して、その数を満たすまで患者の勧誘を行うこととなります。

さて、希少疾患の場合は、患者数がそもそも少ないです。ということは、しっかり有意差を付けるために必要な患者数の確保が難しいことがお分かりいただけると思います。したがって、よほど効力に優れて、少数の患者で明確な有意差をつけられるような薬でなくては、開発が難しくなります。これって、大変だと思いませんか?

希少疾患は、市場の厚みがないため、いったん薬が開発され、そしてその薬の効力が優れていれば、新規の薬の開発が難しい。そういう領域に、武田は進出しようとしているわけです。

これって、結構厳しい道だと思います

まあ、それでもその道に進まざるをえないところに、武田のおかれた厳しい状況が垣間見えるわけです。いや武田だけでなく全ての製薬メーカーは、

ますます新薬が出なくなる状況で、厳しい道を選択して進んでいかなければならない

という点では同じ状態にあるのです。

 

蛇足

 

私は、2018年3月20日付けの記事『JNJとの8年間とこれから』で、JNJについては

 

決して買い増しを行いません

 

と述べましたが、それは今後の製薬業界の厳しい状況を認識しているからこその発言であったと、ご理解いただけるかと思います。

 

業界に長らく足を突っ込んでいる私からすれば、

株式投資家にとってJNJは最高!

という主張には同意しますが、

これからもJNJは投資家に優れたリターンをもたらしてくれる!

という意見には、

無邪気な・・・

と思わざるをえないのです。当面ならば十分可能だとは思いますが。

 

まあ、私の読みが間違っていて、JNJはこれからも業績を順調に伸ばして投資家に多大なリターンをもたらしてくれるかもしれませんが・・・

 

答え合わせはJNJホルダーの皆さんでどうぞ(私も今のポジションはキープして、推移を見守ります。何があっても、買い増しだけはしないけどね。)

 

でわ。

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