『破壊的イノベーション』を回避できる企業へ投資しよう!

もう何年も前に、私が勤めていた会社のCEOがこんな発言をされていました。

 

我々にとって最も恐れるべきものはイノベーションだ!

 

当時一介の研究者だった私は、この発言を聞いて目から鱗が落ちる思いがしたことを今でも覚えています。

 

他社が繰り出す『破壊的イノベーション』は企業の存続を脅かす

 

消費者にとってイノベーションは歓迎すべきですが、企業経営にとっては、他社がイノベーションを使って自社の事業領域を蚕食してくるのは脅威以外の何物でもありません。

 

最近では

Death by Amazon

の言葉で知られるように、米国(だけでなく世界中)の小売業者がAMZNの脅威にさらされていますが、これもAMZNがイノベーションを駆使して今までになかったようなサービスを消費者に提供しているために、AMZNに市場を奪われ続けているからです。

 

かようにイノベーションは企業に多大な影響を与えるのですが、であれば投資家も企業経営者と同じような立場で、投資対象としての企業を見ていく必要があります。

イノベーションによる破壊を回避できる企業はあるのか?

と。

 

イノベーションを回避できる企業に投資しよう!

 

私であれば

イノベーションは脅威だ。だから、イノベーションの脅威と無縁でいられる企業に投資しよう!

と考えますし、実際にそうした企業に投資しています。

 

例えば、人間の嗜好は基本的に大きくは変わりませんから、それを満たす商品を提供する企業であればイノベーションの魔の手から無縁でいられます。

良く言われるのですが、『砂糖・酒・タバコ』といった商品は中毒性があり、昔から人間に好まれておりその人気は今も衰えていません。

しかも良いことに、これらの商品に大きなイノベーションは起こりませんから、こうした商品を扱う企業であればイノベーションによる破壊から距離を置くことが出来ます。

 

具体的には、ある意味ただの砂糖水を売っているKO、砂糖水以外にも甘いお菓子を売っているPEP、砂糖がいっぱい入ったチョコレートを手掛けるHSY等の業績は、イノベーションの影響を受けずに安定していますね。KOに至っては新しい味のコカ・コーラを販売したらブーイングを受けたりしていて、イノベーションしないほうが消費者にとって好まれるという稀有な立場を享受しています。

酒についてはBUDやDEOですね。BUDは最近ちょっと調子がわるいですが。

タバコならばBTIやPMやMOですね。MOなどはFDAにずっといじめられているのですが、ここ最近の増配率は目を見張るものがありますよ。

 

また、他の例としては、イノベーションではひっくり返せないような優位性を持つ企業もありますね。

 

例えば、NSCやUNPといった鉄道企業は、莫大な固定資産(土地・設備)を有して事業展開しており、新規参入組が同等レベルの固定資産を今から作り上げることはまず不可能です。

この優位性をひっくり返すためには、例えば瞬間移動装置といったイノベーションが必要ですが、SFならばあり得ても現実的には不可能な技術です。

したがって、鉄道企業の事業基盤は安泰であり、それへの投資は報われる可能性が高いと思われます。

 

『まとめ』らしきもの

 

以上つらつらと述べてきましたが、私のはイノベーションをその初期に見切る能力はないので、イノベーションにやられない地味な産業に属する企業の株を好んで買っています。

(具体的に買っている銘柄は、配当の月次報告等で折に触れて公開していますから、そちらをご覧ください。)

大化けすることはありませんが、着実に配当を支払ってくれて株価も少しづつ上っている銘柄が多く、安心して保有できますよ。

 

でわ。

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