高配当株再投資戦略が機能しない? 本当にそうですか?

米国の金利が上昇していますね。その結果として、米国高配当株のパフォーマンスが低調です。

 

そりゃそうですよね、米国の長期債を買っておけば、今ならば

利回り3%程度

が保証されるわけで、それならば価格変動リスクのある株式を買う必要はない、と思う投資家が出てくるのは当然です。

 

それに、景気が好調な今は、一般消費財・資本財・素材のパフォーマンスが良好であり、高配当株が多い生活必需品・ヘルスケア・通信関係の株価が伸び悩むのは当たり前の話です。

 

そんなこんなで、高配当株再投資戦略から離れて、グロース株に切り替える投資家さんが目立つようになっています。

 

ところで、シーゲル先生は何と言っている?

 

さて、名著『株式投資の未来』で、ジェレミー・シーゲル先生は、以下のように高配当銘柄への投資が高パフォーマンスであることを明らかにしておられます。

 

対象概要年率リターン
S&P10種S&P500の大型株100銘柄の配当利回り上位10銘柄15.69%
S&Pコア10種過去15年間減配していないS&P500の大型株100銘柄の配当利回り上位10銘柄15.68%
ダウ・コア10種過去15年間減配していないダウ工業株の配当利回り上位10銘柄14.90%
ダウ10種ダウ工業株の配当利回り上位10銘柄14.43%
上位20%S&P500の配当利回り上位20%14.27%
S&PS&P500に連動11.18%
ダウ30種ダウ30種に連動12.00%

(『株式投資の未来』 P.280より引用)

 

さて、このデータは1957年から2003年にかけての、各カテゴリーの株式のパフォーマンスを示したものです。つまり、

4年や5年の話ではない!

ということです。

 

株式は、長期に渡って保有することにより、短期的なボラティリティを排した本来価値を反映した株価に収斂していくものですから、投資戦略の妥当性は長期的に判断するべきではないでしょうか? 今、米国株に投資している方の多くは、アベノミクス以降に参戦されたことと思いますが、アベノミクス開始からの数年という

超短期間

で、投資戦略の妥当性を云々するべきではないでしょう。

 

また、シーゲル先生は、こうも述べておられます。

株式の長期リターンは増益率そのものではなく、実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる。

『株式投資の未来』 P.46より引用

 

これは、『不人気だけれども、それなりの増益を示す銘柄をガチホすれば、長期リターンは優れたものになる』という意味であり、ご著書で先生が繰り返し述べておられることです。

 

であるならば、高配当銘柄が不人気な今こそ、買い向かうべきではないでしょうか?

 

『まとめ』らしきもの

 

高配当株の再投資戦略の肝を、再度確認しておきましょう。それは、

『高い配当を払う株を保有して、その配当を再投資することで、株数を増やしておきましょう。その銘柄が不人気で株価が低迷した場合は、これ幸いとばかりガシガシと買い向かって、更に株数を増やしておきましょう。

そうすれば、株数が増えた効果で、ハイテク株と比べていまいちな株価上昇でも、大きなリターンを得ることが出来ます。』

ということなのです。

 

もちろん、その前提として、その会社が安定的に配当を支払えるだけのキャッシュフロー創出力を保持し続ける必要がありますが、そうした会社は数多くあります。特に米国の会社に多いのですが、配当をずっと出し続け、さらに何十年にも渡って増配を繰り返す企業も少なくありません。

 

さて、私は配当狙いの投資家ですから、株価には無頓着なほうです。極論すれば、

配当さえ貰えれば、株価が0になっても構わない

と思っています。配当さえ貰えれば、ですが。そして、

もっと株価下がってくれないかなぁ・・・。そしたらガシガシ買い増すのに・・・。

と思っています。

 

これは、上で述べたことと表裏一体であり、

株式投資の成否を分けるのは、キャピタルゲイン狙いでも配当狙いでも、いかに株数を増やすか!

がカギであるということなのです。

 

さて、皆さんは株価を追いかけますか? それとも株数を追いかけますか?

 

でわ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA