世の中には、Business Development Company (BDC)という会社があります。
BDCっていったい何?
BDCは、信用力の低い中小企業やベンチャーに資金を提供し、資金提供先からの回収金より諸経費等を差し引いて得た利益のほとんどを配当とすることで、高利回りを実現しています。ある意味、REITに似ていますね。
米国で上場しているBDCのうちで最も規模が大きいのがAres Capital Corporation (ARCC)で、この記事を書いている2018年4月5日時点の時価総額が、68.3億ドルとなっています。
ARCCの魅力は、その配当利回りで、2018年4月5日時点ではなんと
超高配当の9.48% !
となっています。
そんな高配当利回りなんて、あり得ない。絶対危ない商品に違いない!
と思われる方もおられるでしょうが、負債50%以下で投資先は300社以上と分散されており、安全性についてはそれなりに担保されていると思われます。
いやいや、そう簡単には信じられんぞ・・・
という方には、過去の1株当たり配当実績をお見せしたいと思います。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | |
2004 | 0.3 | |||
2005 | 0.3 | 0.32 | 0.34 | 0.34 |
2006 | 0.36 | 0.38 | 0.4 | 0.5 |
2007 | 0.41 | 0.41 | 0.42 | 0.42 |
2008 | 0.42 | 0.42 | 0.42 | 0.42 |
2009 | 0.42 | 0.35 | 0.35 | 0.35 |
2010 | 0.35 | 0.35 | 0.35 | 0.35 |
2011 | 0.35 | 0.35 | 0.35 | 0.36 |
2012 | 0.37 | 0.37 | 0.43 | 0.43 |
2013 | 0.38 | 0.38 | 0.38 | 0.43 |
2014 | 0.43 | 0.38 | 0.38 | 0.38 |
2015 | 0.43 | 0.38 | 0.38 | 0.38 |
2016 | 0.38 | 0.38 | 0.38 | 0.38 |
2017 | 0.38 | 0.38 | 0.38 | 0.38 |
ありゃ、2004年設定ですか・・・リーマン・ショックのちょい前の絶妙?といえるタイミングですね・・・。それはさておき、平時ならば配当はそこそこ安定していることが、お分かり頂けるのではないでしょうか?
一方で、金融混乱時にはきっちり減配していますね。2008年のリーマン・ショックの影響のために2009年の配当が-12.5%そして2010年の配当も-4.8%となっています。ただ、それ以上は配当金を下げることもなく2018年に至るまで配当を払い続けています。言い換えると、リーマン・ショックを生き延びています。このことより、ARCCの存続可能性にはさほど懸念はないと、言えるのではないでしょうか?
でも、減配しているんでしょ?
というあなたには、次のチャートをご覧いただきたいと思います。
(クリックすると拡大します。ただしPCの場合。スマホではあまり変わりません。ごめんなさい。)
これを見ると、確かに減配しているものの、それに応じて株価水準も下がっていて、平時には配当利回り9~11%程度と安定していることが分かります。
また、暴落時に買い向かっていれば、平時に戻った時の配当利回りがチョーものすごいことになっています。例えば、リーマン・ショック後の最安値である3.60 USDでポジションを立てていれば、2017年の配当利回りは
顎も外れる42.2%!
になっています。アンビリーバボーですが、数字は嘘をいっていません。事実です。
また、これほどでなくとも株価下落の機会を捉えれば、大きな配当リターンを手にできます。たとえば、2015年8月24日の世界同時株安(覚えていますか?)の際に、一瞬だけ11.01 USDを付けた時に購入していれば、
(左の方の、ガクンと株価が下がっているところを見てください)
2017年の配当利回りは、
チョー満足の13.8%!
になっています。
実は、私はこの時に場でARCCを見ていたのですが『なぜ、急に、こんなに下がっているのか?』と理解不能で混乱してしまい、購入チャンスに動けなくて・・・
大魚を逃してしまいました・・・
〇|¯|_・・・
『まとめ』らしきもの
さて、今まで説明してきた内容をまとめると、ARCCは
① 価格変動はあるものの、配当利回りの観点からは債券的な性格が濃い銘柄
② リーマン・ショックでも破綻しなかったことより、持続可能性は高いと考えられる
③ 暴落時に買い向かえば、超絶配当リターンを得ることも可能
と言えるかと思います。なにしろ、9~11%程度の高配当が見込めるので、配当再投資戦略を採用している投資家であれば、ポートフォリオの一角に置くことを考慮しても良い銘柄だと思います。
私はARCCをそれなりに保有しており、時価総額では米国株ポートフォリオの8%を占めていますし、更に買い増す予定でもいます。
・・・ちょっと多いんじゃないの?
と思われるかもしれませんね。ただ、私は定年前のリタイアを目指しており、それには現在の配当金では少々不足しています。したがって、多少リスクを取ってでも高配当銘柄に投資し、その配当金を他の銘柄に投資して、受取配当金のさらなる増加を目指したいと考えており、そのためにARCCに投資しています。
もちろん、仮にARCCが大コケしたとしても、将来設計に甚大が影響が出ない程度のポジション量に留めているつもりです。
以上、ARCCの紹介でしたが、最後に・・・
投資は自己責任で!
でわ。
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おもしろいですねwww
個別株に恐い投資家が高配当戦略を用いるのにご用達のVYMの期待リターンが、値上がりと配当金の両方込みで7~8%位だったと思います(ちょっと記憶が曖昧です)。
配当利回りだけでそれを凌駕しているのは、とても興味深い(笑)
チャートの形的にはPFFに酷似していますが、あちらの配当利回りは5.6%程度。当然値上がりは期待出来そうにない。
うーん、コメント書いててARCCが欲しくなってきましたwww
Nさん
コメントありがとうございました。
メインのポートフォリオをしっかりと構築する一方で、リターンを高めるためにARCCを補完的に保有するのが良いかと思います。
私はいい歳したオサーンなので、リタイアの時期を早めることを目指してリスク承知でARCCを多めに買っていますが。
またよろしければコメントしてください。