さて、2019年5月4日付けの記事『『株式投資では負けないことが強い』ことを示すデータがある』では、株価下落からの戻しには相当なリターンが必要であり、そのために下値抵抗性のある銘柄はパフォーマンスに優れる可能性が高いと論じました。
ただ、上記の記事はS&P500と配当貴族指数とを見比べただけに終わっており、記事を書いた後で
じゃあ、実際にシミュレーションを行ってみたらどうなるんだろう?
という疑問が湧いてきました。
そこで、モデルケースを考えてみたのですが・・・結構エグイ結果が得られました。
株価下落はパフォーマンスに大きく影響する
幾つかのモデルケースを考えてみました。
まずは、とある銘柄の初年度の株価100として、それが1年ごとに交互に+20%の株価上昇と-20%の株価下落を繰り返すものとし、10年目の株価がいくらになるかをエクセルでシミュレーションしました(シナリオ1)。
結果は下図の通りです。
おっと、最初100だった株価が、10年目に82になっていますよ。-20%の株価下落は+20%の株価上昇では取り戻せないということですね。
では、次に+5%と-5%の株価変動を繰り返すパターンを考えてみましょう(シナリオ2)。
こちらでは、10年目の株価は99です。シナリオ1よりはるかにましで、ほとんど損失なしで済みます。
では、シナリオ1で示した-20%の株価下落を相殺するためには何%の株価上昇が必要かというと(シナリオ3)・・・
これ、実は上昇率が25%の場合です。つまり、
-20%の株価下落を取り戻すのためには+25%の株価上昇が必要!
となります。これは、ご自分で計算すればご理解いただけると思いますよ。株価下落を取り戻すには下落分以上の株価上昇が必要ということですね。
では、最後にもう1つシミュレーションしましょう。年率15%の株価上昇が4年間続き、5年目に-40%の株価下落を喰らうことを2回繰り返したらどうなるでしょう(シナリオ4)。これは現実的に十分あり得るシナリオです。
これはきついですね・・・4年間の株価上昇が一気に消え去ってしまって、2サイクル10年のリターンが
たったの110!
ですよ!
リーマン・ショック以降の相場しか知らない方には想像できないかもしれませんが、毎年株価が15%上昇するのは中々難しいことです。
それが、1回の株価調整で吹き飛ぶのですから・・・。
『まとめ』らしきもの
上記のシミュレーションが示しているのは、
株式投資では、株価下落の影響がパフォーマンスに及ぼす影響が非常に大きい!
ということですね。
それからすると、下値抵抗が高い配当株投資やバリュー投資には優位性があるといえるかもしれません。
でわ。
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