『株式投資では負けないことが強い』ことを示すデータがある

株式投資では、多くの投資家さん達は

イケてる高成長グロース株!

で勝負したがるようです。

一方、私は

地味だけども配当をしっかり払ってくれる低成長株

が好みです。

 

高成長株を選好する投資家さん達からは、『何をのんびりやっているんだ』と思われるのかもしれませんが・・・そうとは限りませんよ、というのが今日のお話です。

『配当貴族』と『S&P500配当貴族指数』

 

当ブログを読まれる方の多くは

配当貴族!

についてご存じのことと思います。

ご存じない方のために説明すると、米国株のうちで25年以上に渡って増配を続けている銘柄を配当貴族と言います。

 

さて、配当貴族についてご理解いただいたところで、世の中には

S&P500配当貴族指数

というものがあることをご存じでしょうか? これは

・配当貴族銘柄

・S&P500構成銘柄

・優良大型企業

を満たす銘柄で構成された株価指数です。

 

S&P500配当貴族指数の2019年の構成銘柄は以下の通りです。

構成銘柄ティッカー増配年数
DoverDOV63
Emerson ElectricEMR62
Genuine PartsGPC62
Procter & GamblePG62
3MMMM60
Cincinnati FinancialCINF58
Johnson & JohnsonJNJ56
Coca-ColaKO56
Lowe’sLOW56
Colgate-PalmoliveCL55
Homerl FoodsHRL53
Federal Realty
Investment Trust
FRT51
Stanley Black & DeckerSWK51
TargetTGT51
SyscoSYY49
Becton DickinsonBDX47
W W GraingerGWW47
Leggett & PlattLEG47
PPG IndustriesPPG47
Kimberly ClarkKMB46
NucorNUE46
PepsicoPEP46
VF CorporationVFC46
AbbVieABBV46
S&P GlobalSPGI45
Wal-Mart StoresWMT45
Automatic Data ProcessingADP44
Consolidated EdisonED44
Illionis Tool WorksITW44
Archer Daniels MIdlandADM43
McDonald’sMCD43
PentairPNR43
Walgreens Boots AllianceWBA43
CloroxCLX41
MedtronicMDT40
Sherwin-WilliamsSHW40
Franklin ResourcesBEN39
AflacAFL36
Air Products & ChemicalsAPD36
CintasCTAS36
Exxon MobilXOM36
Brown-FormanBFB35
AT & TT35
McCormick & CoMKC33
T.Rowe PriceTROW32
Cardinal HealthCAH31
Chevron CorporationCVX31
EcolabECL27
General DynamicsGD27
PraxairPX26
Roper TechnologiesROP26
A.O. SmithAOS26
People’s United FinancialPBCT26
Chubb LimitedCB25
United TechnologiesUTX25
CaterpillarCAT25

 

ざっと眺めてみると

オールドエコノミー!

と思しき企業が多いために(例えば46年連続増配のNUEなんて鉄鋼業ですからね)、あまりイケていない構成のように思われます。

ところが、このS&P500配当貴族指数は素晴らしいパフォーマンスを示しています。

 

S&P500貴族指数とS&P500のガチンコ勝負の結果は?

 

S&P500配当貴族とS&p500について、1990年以降のパフォーマンスを比較してみましょう。

 

S&P500配当貴族S&P500%差
19905.7%-3.1%8.8%
199138.5%30.5%8.0%
199210.1%7.6%2.5%
19934.3%10.1%-5.8%
19940.9%1.3%-0.4%
199534.6%37.6%-3.0%
199620.9%2.3%-2.1%
199735.5%33.4%2.1%
199816.8%28.6%-11.8%
1999-5.4%21.0%-26.4%
200010.1%-9.1%19.2%
200110.8%-11.9%22.7%
2002-9.9%-22.1%12.2%
200325.4%28.7%-3.3%
200415.5%10.9%4.6%
20053.7%4.9%-1.2%
200617.3%15.8%1.5%
2007-2.1%5.5%-7.6%
2008-21.9%-37.0%15.1%
200926.6%26.5%0.1%
201019.4%15.1%4.3%
20118.3%2.1%6.2%
201216.9%16.0%0.9%
201332.3%32.4%-0.1%
201415.8%13.7%2.1%
20150.9%1.4%-0.5%
201611.8%12.0%-0.2%
201721.7%21.8%-0.2%
2018-2.7%-4.4%1.7%
累積2396.4%1094.3%

 

ぬぁんとS&P500配当貴族の圧勝!

ではありませんか!

 

なぜこんなことになるのでしょうか?

 

株式投資で『負けない』ことが重要な理由

 

ここで一つの例を述べたいと思います。

 

株価100円の銘柄があったとします。それが30%値下がりしたとすると、70円になりますね。

その銘柄の株価が100円になるためには、70円から約43%の株価上昇が必要です。

あれっ、30%の株価下落から元に戻るのに、43%も株価が上昇しないといけないの?

と思われるかもしれませんが、その通りです。

 

これが50%の下落だったらどうなるでしょう? 100円の株価が50円になったとして、それが100円になるためには、50円⇒100円なので

100%!

の株価上昇が必要です。これは、現実的には結構難しいことですね。

 

さて、株価下落を取り戻すためには相当な株価上昇が必要であることを理解していただいたうえで、上の表を再度見てみましょう。

黄色マーカー部分で、S&P500配当貴族に比べてS&P500の下落率が顕著ですね。

 

皆さんお分かりと思いますが、黄色マーカー部分は、ITバブル崩壊とリーマンショックの影響で株価が大きく下がった年です。

つまり、株式相場下落時にはS&P500配当貴族よりもS&P500のほうが下落率が高く、それを取り戻すことが難しいため、S&P500はアンダーパフォームしたと理解されます。

 

『まとめ』らしきもの

 

S&P500配当貴族は、オールドエコノミーが多いですが、比較的ディフェンシブな銘柄から構成されているために、相場下落時の値下がり率は限定されます。また、配当利回りが高めの銘柄が多い事から、株価下落時には配当利回りの向上を評価する投資家からの買いが入りますので、その点からも下値抵抗性が高いといえます。

一方で、S&P500にはイケてるグロース株も含まれていますが、そうした株は相場下落時には大きく被弾するため、S&P500の値下がり率が大きくなります。

以上より、相場が回復した時の値戻りについてはS&P500配当貴族のほうが有利です。

 

・・・ということで、

イケてない銘柄は株価下落が限定されている、つまり負けにくいからこそパフォーマンスが優れる可能性が高い

ということが、言えるのではないでしょうか?

 

でわ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA