大学生の娘のための株式投資講座(3):よーく考えよう、お金は大事だよ!②

さて、この『大学生の娘のための株式投資講座』で語るべきネタはいっぱいあるのですが、初心者に向けて懇切丁寧に記事を書くのはそれなりに手間がかかります。

他にもやるべきことは多いため、毎日というわけにもいきませんから、2日に1回程度の頻度で娘向けに記事を書きたいと思います。

 

それを娘に知らせたところ

 

(面白いスタンプだったのですが、ちょっと・・・と思われたので削除しました)

 

さて、娘からもこのように期待されていますので、講義を始めます。

講義開始!

 

娘よ

前回は、お金というものの意味を説明したが理解したかの?

 

前回の講義のまとめを繰り返すと、お金は

①価値交換の手段

②価値保存の手段

として広く社会に認められるようになったのじゃ。

このうち、特に②の価値保存の手段として認められるようになった結果、何が起こったか? 今回は、それを説明しようぞ。

お金はただで借りられるわけではない

 

前回の漁師と農家の話で説明すると、腕の良い漁師であればいっぱい魚を取ってそれを売りさばいてお金をいっぱい手にいれることができるし、米を育てるのが上手い農家であれば米をたくさん収穫してそれを売ることで多くのお金を手にすることができる。

そうして、腕の良い漁師や米を育てるのが上手い農家は、たんまりとお金を貯め込むこととなったのじゃ。

 

そうして貯め込まれたお金がどんな働きを及ぼすようになったのか? それを例え話で説明しよう。

 

さて、ここにある若者がいたとしよう。そして、その若者は異国で『燃える水』が地面からしみ出しているという話を、旅人から聞き込んだとする。

『そいつはすげえや! 燃える水が地面からにじみ出ているということは、そいつが地面の中に溜まっているということだろ? それを掘り出して夜の明かり用に売れば、お金をがっぽり稼ぐことができるぜ!』と若者は思ったが、はたと我に返って

元手がない

ことに気付いたのじゃ。

 

『さて、どうしたものか?』と思案投げ首だった若者は、知り合いの腕の良い漁師がお金をたんまり貯め込んでいるという噂を思い出した。そこで、若者は急いで漁師の家に行き、『あなたのお金を貸してくれませんか? それを使って燃える水を掘り当てたいんです!』と頼んだ。すると漁師は

貸してもいいよ。だだし、貸した金を返してもらうときに、貸した金に対して3割余分にお金を付けてくれるという条件ならば、ね

と言ったのじゃ。

お金儲けに目のくらんでいた若者は

わかりました、その条件で良いのでお金を貸してください!

と漁師の条件を受け入れてお金を借り受け、燃える水を掘り返す支度を整えて異国へと旅立った。

 

さて、若者は見事燃える水を掘り返すことができたのか・・・

 

ワシはその結果は知らんが、もし掘り返せたならば、その若者はロックフェラー同様に崇められたことであろうな

 

もしお主が『ロックフェラーって誰?』ということなれば、ウィッキー先生に尋ねるべし!

 

お金を貸し借りする意味

 

ところで、上の例え話から何を学べるかの?

 

漁師は若者に金を貸した。漁師は貸した金以上の金を返すように若者に要求した。

これを不思議に思わんか? 貸した金と同額を返してもらえば良いはずではないか?

いや、そうではないのじゃ。漁師はお金の持つ意味を良く理解している。お金があればいろいろなものを買えるし楽しく遊ぶこともできる。じゃから、漁師にとってお金は多いほうが良い。

そこに若者が金を借りに来た。話を聞くと若者の企てが上手くいったら、若者は多くのお金を手にできるだろう。そしたら、貸したお金以上のお金を返してもらっても若者にとっては何の問題もないであろう。であれば、3割ぐらい多めに返してもらっても良いだろう、と漁師は思ったんじゃろうな。

また、年端もいかない若者に対して、燃える水を掘り出すという成功するか失敗するか分からない企てのために金を貸すのだから、その金が戻ってこない可能性もある。実はお金持ちのところには似たような話が多く舞い込んでいて、あるものは上手くいってあるものは失敗していた。大体5人に4人が成功して1人が失敗していたので、金を貸すときには少なくとも2割は余分に返してもらわないと元手を回収できない。だから、儲け分も含めて3割を若者に要求したとも考えられる。

 

こうして漁師は3割余分にお金を返したもらえるという仕組みを考え出したわけだが、これを

利子あるいは利息(以降は利子のみと表記する)

と呼ぶことは、お主も理解していよう。こうして利子が発明されたことで、人類の大いなる発展が可能となったんじゃ。

リスクとリターン、そして社会の発展

 

ここから少し固い言葉で説明するとしよう。

 

漁師は自分のお金を若者に貸して、そのお金を失うかもしれないという危険にさらすこととなった。その代わりとして、若者に見返りとして3割の利息を要求した。

これを経済の言葉では

漁師は自分のお金をリスクにさらすことによりリターンを得ようとした

と言い換えることができる。では、これからはこれらリスクリターンという言葉を使って説明しよう。

 

お主は、価値交換と価値保存の手段として絶大な威力をもつお金を失くしたくないであろう? かの漁師だってそうじゃ。じゃから、おいそれとお金を貸すことなどできない。

ところが、お金を貸すときに利子をつけられるとしたらどうじゃ? さっきの漁師と若者の話のように、多くの持ち込まれた儲け話に多額の利子をつけて金を貸せば、お金が帰ってこない場合があったとしても最終的には貸した金以上のお金を手に入れられる。であれば、お金を貸すことに躊躇することはない。漁師は思い切ってお金を貸すことができる。この状態を、

漁師はリスクを取ってお金を貸すことができる状態にある

と言い換えることができる。

 

一方、利子がつくのであれば上で説明したようにお金を借りるほうも借りやすくなる。その代わり借りる側は

高いリターンを実現する(あるいは”約束する”)

必要がある。

 

さて、高いリターンを実現するためには、生半可なことではいかぬ。例えば、借りた金で牛を飼ってミルクを絞って売るといった程度では、利子どころが元手も返すことも難しかろう。

であれば、思い切って大儲けできることにチャレンジすべきであろう。先ほどの若者は、燃える水すなわち石油を掘り当てようとしたが、それがまさにそうじゃ。一攫千金を目指して若者は冒険を企てたということじゃな。

 

こうして、リスクを取れる金持ちとリターンを実現する冒険者が現れた。利子が発明されたおかけで。

昔の冒険者は、異国の地で石油を掘り当てたり当時は貴重であった香辛料を海の向こうから持ち帰ったりした。今の冒険者は、新しいビジネスの立ち上げに奔走している。

そして、こうした冒険者が成功した暁には、多くのお金が冒険者と出資したお金持ちにもたらされてきたし、今でももたされているのじゃ。

このようにして得られたお金が再び冒険者の手に渡り、冒険者はお金を手に入れようと邁進し・・・というプロセスが幾度となく繰り返され社会を大きく変えてきた。

そして、今や高度に組織化された社会が形成され、我々はその社会がもたらすものを日々享受している。それは、大昔の物々交換で暮らしを営んでいた状態からすれば、全く想像もできないレベルの変化であろうな。

 

『まとめ』らしきもの

 

いままで説明してきたように、価値保存の手段としてのお金は、利子が発明されたことにより新たな役割を持つようになった。

それは、お金が冒険者の手に渡り、冒険者が大きな利益を上げた場合には元のお金に加えて利子分のお金が増えて返ってくるというシステムを回す

価値増殖の手段

としてじゃ。

 

さて、今までの講義はどうであったか? 株とは全く関係なさそうな話で退屈したかもしれんな。

じゃがの、お金の基本についてはしっかり学んでおく必要がある。なせなら、それはいずれ株式投資と結びつくことになるからじゃ。

 

学ぶべきことはいっぱいある。少しずつ勉強していこうぞ。

 

でわ。

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