2018年7月14日付けの記事『【超重要】投資成績は3つの要因だけで決まる・・・ってことを改めて確認しよう!』で記載したように、投資成績は
① 投入資金量
② 運用期間
③ 運用利回り
の3つのファクターで決まります。投資手法は数多くありますが、それらの違いというものは上記①~③のいずれの要因を重視するか、あるいはどのように組み合わせるかのみに帰結します。
さて、これらのうち、投資家が直接かつ完全にコントロールできるのは、投入資金量と運用期間です。そして、
・出来る限り投入資金量を増やす
・長期に渡って運用して複利効果を最大限に生かす
ことが必要です。
では、残されたファクターである運用利回りについては、投資家はどのようにコントロールすればよいのでしょうか?
いかにして利回りをコントロールするか?
運用利回りを株価上昇に求めるのであれば、それは投資家にとって到底コントロールできるものではありません。なぜなら、株価は市場参加者の様々な思惑で決定されるのですが、その思惑は投資家の数だけあり、したがってそれらをすべて理解して株価を予想することなどは不可能だからです。
また、企業業績の向上により株価が最終的に上昇することは確かですが、将来の予測は困難であり、予想通り企業業績が向上する保証はなく、したがって株価上昇も絵に描いた餅に終わる可能性もあります。それどころか、見立てと異なって企業業績が悪化した場合は、運用利回りがマイナスになることもあり得ます。
しかし、投資家にはコントロールできないものの、相当な確度で予測できるために、実質的にほぼコントロールできると言ってよい利回りもあります。それは、配当利回りです。
具体的に言えば、最初にポジションを立てるときの配当利回りは、投資家が完全にコントロールできます。配当株投資家が株を買うときの評価ポイントは、その時点での配当利回りであり、そこには恣意性ない客観的数値が示されるわけですからね。
また、良い銘柄を選択すれば減配のリスクはほぼ排除されます。実際、減配することなく配当を出し続ける企業も多いですからね。そして減配しない企業の株を見つけることが出来たら、それはポジションを立てた時の配当利回りが維持されることにつながり、投資計画が立てやすくなります。
さらには、増配意欲の強い企業に投資すれば、エントリー時の配当利回りは最低保証となり、投資計画を立てる側にとっては盤石とも言える状態となります。世の中には増配こそ株主還元の本流と見なしている企業も多く、特に米国では数十年以上に渡って増配を繰り返している企業は数多くありますので、こうした企業に投資しておけば受け取り配当金の増額が非常に高い確率で期待できます。
このように、配当株投資を行う場合は、投資の成果を決める3要因のコントロールがほぼ可能となります。それは言い換えると、確実性のある投資が可能であることを意味します。
ただし、運用利回りを配当利回りに求める投資法には欠点があります。それは、利回りが低いということです。
優れた企業であれば、通常配当利回りは2~3%程度が精々でしょう。そのため、利回りを上げるためには配当再投資は必須ではありますが、配当再投資込みであれば4~5%程度の利回りは計算できます。
その程度の利回りでは、満足できない投資家もいらっしゃると思います。ですが、株価上昇に運用利回りを求める場合は、上で述べたように予測が難しいだけで済むならばまだしも、下手をすると運用利回りがマイナスになる可能性もあります。
一方で、配当に利回りを求めた場合は、配当再投資も込みであるならば、運用利回りがマイナスになる可能性は殆どないと言えます。また、4~5%程度の利回りであっても、年月を重ねると複利効果で資産が膨れ上がっていきます。
加えて、フリーキャッシュフローが安定的にプラスの企業であれば、事業への再投資や内部留保への振り分けを通しての資本蓄積が進み、それに呼応して緩やかながらも株価上昇が期待でき、さらなる利回り向上も見込める可能性が高いです。また資本蓄積が進めばPBRが低下し、資産価値の観点から株価の下値抵抗性も増していきますから、より安心して投資に取り組めることにもなります。
『まとめ』らしきもの
以上述べてきたように、配当株投資は
投入資金量・運用期間・運用利回りという、投資成績を決定づける3要素をほぼコントロールできる
ことから、確実性が極めて高い投資法であると私は考えています。
私は、自分の大事な資産の運用についてはできる限り自分で差配でき、かつ確実性のある方法で行いたいと考えています。ですから、配当株投資+配当再投資を行っているのです。
さて、あなたは、自分ではどうすることもできない株価上昇というファクターに賭けて勝ちを狙うのか、それとも、成果はしょぼいかもしれませんが配当株投資ですべてのファクターをコントロールして、小さな勝ちを積み重ねていくのか、どちらをお好みですか?
小さくとも勝ちを積み重ねるほうが、私は良いと思っています。
でわ。
もしこの記事がお役に立ちましたら、応援クリックお願い致します!
こんにちは、初コメです!配当利回りで運用利回りをコントロールできるのというのは簡単すぎですね!やってみたくなりました(^^♪
投資初心者さん
コメントありがとうございました。
今回記事にした内容は、確実ですが『簡単だよ!』とは必ずしも申せないと私は思っています。
他の投資家さん達がグロース株で大儲けしているのを横目でみながら、配当株を買い続けてショボショボと配当を積み上げていくというのは、忍耐力が試される作業です。ですが、地道に続ければ誰でも成果を出せるという意味では、お勧めの方法と考えています。
投資初心者さんがどのような投資手法を選択されるかは、今後のご経験で決まっていくと思いますが、配当再投資法も選択肢としてご検討されてはいかがでしょうか?
投資初心者さんの成功をお祈りしております。