株価という『影絵』に惑わされてはいけない

私は20年前以上前から株式投資を行っているのですが、当時はネット証券もなかったので、証券会社の店舗に電話するか、あるいは直接出向くかして売買注文していたものです。そして、手数料もバカ高でした。

それと比べると、今は個人投資家の取引はネット証券経由が主流となり、利便性も当時とは比べものにならないくらい向上しています。

 

その一方で、情報もリアルタイムに確認できるようになったために、投資家の皆さんは、保有株の価格変動に一喜一憂されていることと思います

私も、株式投資を始めたばかりの頃は株価が気になって気になってしょうがありませんでしたし、ある程度経験を積んでからは株価変動に慣れてきたとはいえ、それでも

ミスターマーケット

のきまぐれに、振り回されていたものでした。そして、ミスターマーケットの影響から逃れられるようになったのは、

配当株投資

を開始してからでした。

 

本体と影絵

 

今や、ミスターマーケットが騒いでいても

ハイハイ、好きにやっていていいよ

と、受け流すことができるようになって思うのは、株価というのは

影絵

のようなものなんですね。影絵は、光が近づくと大きくなり、光が遠ざかると小さくなりますが、本体は

何も変わらない

のです。そして、

株価に一喜一憂する投資家は、『影絵が大きくなった、影絵が小さくなった』と言って騒いでいる子供と何ら変わるところがない

という、醒めた見方もできると思います。

 

株式尺度は妥当なのか?

 

少し話を変えましょう。株式評価の指標として、投資家ならば誰もが知っているものにPERがあります。投資家の総意として、

PERが10以下ならば割安、PERが15ならば妥当、PERが20を超えると割高

と通常考えられています。

 

でも、リーマンショック直後からアベノミクスが始まるまでの間は、

PERが10以上だと割高だよな・・・

という意見が一般的だったのです。あの頃は、年率20%の成長を続けて、後に多くの億り人を生んだアークランドサービスのような株が

PER=5程度!

という、今ではあり得ないチョー安値で売買されていたんですよ!

 

つまり、PERというものは、単なる

見解

であって、その時々の状況で何とでも変化する、

株式の本質的価値とは全く関係がない指標

に過ぎないのです。上に述べた株価=影絵と同じですね。

 

そういえば、AmazonのPERがすごい値になっていますね。あれも

今の時点での投資家達の見解であって、本質的価値とは関係ない

と考えておけば良いです。不況になったら、垂直落下でしょうね。(Amazonについては、キャッシュフローをベースに株価を評価すべきとの議論がありますが、これもキャッシュフローに適当な倍数を掛け算しているのであって、その『倍数』には本質的な価値は無いと、私は考えています)

 

『まとめ』らしきもの

 

株価やPERは、投資家達の総意に基づくものではありますが、単なる期待される値で、より正確に言うと

ただの願望

であり、かつ

その願望が作り出す影絵

に過ぎないという醒めた視点が、投資家には必要だと私は思います。

 

でわ。

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